DISRUPTION HAS HIT PHARMA(製薬業界に訪れた混乱)

ジョナス・ピーダーソン, 元エグゼクティブディレクター, 現戦略アドバイザー

変化の速い市場で成功するための競争力

変化し続けるという事実だけが変わらないというのは、製薬業界では長く知られてきた経験則です。ここ数年、製薬業界は、内部の混乱、そして外部から押し寄せるパラダイムシフトにより、劇的な再編を迫られています。例えば、医療経済・アウトカム研究(HEOR)の成果が保険支払者の意思決定に大きな影響を及ぼすこととなり、有効性と安全性の証明だけでは、最も平明な低分子薬でさえ、利益に直結させることは難しくなっています。その一方で、バイオ医薬品、バイオマーカー利用、免疫チェックポイント阻害剤、オーダメイド医療研究等の興隆が、何百万人もの人々に役立つ画期的な成功のポテンシャルを示しつつあります。

しかしながら、これらの医薬品を支える保険制度は、政府機関により厳格に階層化されている国、無秩序なままとなっている国、まったく定めのない国など、世界中に様々な状況が混在しています。

本書は、このような製薬業界の動向を議論しつつ、戦略インテリジェンスの視点に立つことが、競争の激しい環境の全体像を細部まで的確に把握するための強力なツールとなり得ることを示すものです。

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執筆者について

Jonas Pedersén, Non-Executive Director of Deallus

ジョナス・ピーダーソン, 非エグゼクティブディレクター

ジョナス氏は、ディアラスの社外取締役であり共同創立者です。ジョナス氏は、アムジェン社(Amgen Inc.)の元競合インテリジェンスの統括部門長であり、その前職では、アストラゼネカ社の研究開発での緩和ケア治療領域で働いています。ライフサイエンス分野に加わる前に、ジョナス氏はスウェーデン労働生活研究所にて助教授となり、筋骨格研究部門の副所長を務めました。彼のキャリアの中で、戦争ゲームやシナリオ分析イベントといった120個以上の戦略ワークショップをアシストし、その経験が戦略コンサルティングに一つ一つの小面として生かされてます。執筆者詳細情報

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